交通事故|医師の同意・費用・必要書類
「医師の同意」と
「保険会社の支払い」。
何を確認すればいい?
同じ「同意」という言葉でも、
誰が・何に同意するのかで意味が違います。
整骨院に通いたいと伝えたら、保険会社から「医師の同意が必要です」と言われた。病院では同意をもらえず、どうすればよいか分からない――。
その段階でも、当院への相談まで諦める必要はありません。医師の診察・診断を大切にしながら、施術の条件と費用対応を分けて確認します。
「同意がないから無理」と決める前に。

①何についての同意か ②どの資料が必要か ③回答前の費用はどう扱われるか。以下に、そのまま使える聞き方をまとめました。
先に整理したい、3つの違い
- 1.医師の診察・診断
- 事故による負傷の状態や医学的な注意事項を確認するためのものです。整骨院への相談や施術で置き換えることはできません。必要な診察・再診は継続します。
- 2.柔道整復師による施術の条件
- 柔道整復師法第17条は、骨折・脱臼の患部への施術に医師の同意を求め、応急手当を例外としています。打撲・捻挫等を含むすべての施術について、同意を一律に求める条文ではありません。ただし、負傷の種類や施術の適否を自己判断してよいという意味ではありません。
- 3.任意保険会社の一括対応・施術費の支払い
- 任意保険会社が支払責任を負う範囲で、自賠責保険分を含めて賠償金をまとめて支払う仕組みが一括払制度です。施術先への直接払いの可否・範囲も、個別に確認が必要です。これは施術そのものを一律に許可する制度ではありません。根拠:国土交通省
自賠責の支払基準では、柔道整復等の施術費用は「必要かつ妥当な実費」とされています。事故との因果関係や施術の必要性・妥当性が問題となり、医師の同意があっても、すべての費用が必ず認められるとは限りません。支払基準を確認する
裁判例の研究でも、医学的な裏付けが検討されています
2024年の裁判例研究の公開抄録では、打撲・捻挫でも医師の指示・同意が判断材料になり、事故状況、施術の有効性、医師の治療との整合性などが総合的に検討されていると報告されています。研究の抄録・書誌情報
ここは研究内容の要約で、個別判決の原文を引用したものではありません。「同意がなくても常に支払われる」「同意がなければ常に不払い」と一般化することはできません。
保険会社に確認する3つのこと
1.何についての「同意」ですか?
「医師の同意が必要と伺いました。負傷や施術についての医学的な確認でしょうか。それとも、施術費の一括対応を判断するための確認でしょうか。」
2.どの資料を、誰に確認してもらえばよいですか?
「具体的に必要な資料と提出先を教えてください。診断書や施術内容が分かる書類など、何を用意すればよいでしょうか。」
3.回答が出るまでの費用は、どう扱われますか?
「費用対応が決まる前に受診・施術を受けた場合、立替や自己負担の可能性はありますか。対象となる期間・範囲も確認したいです。」
担当者の返答は、日時・担当者名・必要資料・次の連絡予定と一緒にメモへ残します。電話が難しい場合は、会社が案内しているメール・Web窓口などでも確認できるか尋ねてください。特定の連絡手段が全社で使えるとは限りません。
この確認を自分一人で済ませてから、当院に連絡する必要はありません。何が分からないのかという段階から、整理をお手伝いします。必要な受診や事故の連絡は先延ばしにしないでください。
「同意書」という名前だけで判断しない
- 患者さんが提出する医療照会の同意書
- 保険会社による医療情報の確認・提供などについて、患者さんへ同意を求める書類の場合があります。医師が整骨院の施術に同意することとは別です。利用目的、提出先、対象となる情報を確認します。日本損害保険協会の解説
- 医師が作成する診断書
- 医師の診察・診断に基づく書類です。当院からの施術情報提供書で置き換えるものではありません。
- 当院が作成する施術情報提供書
- 交通事故患者さんには原則として作成し、患者さんの了承を得て、症状、当院で確認した所見、施術内容・方針や経過を医療機関へ共有します。医師の同意書でも、支払いを保証する書類でもありません。
医師から「同意できない」と言われた場合
「医学的に施術を控える必要がある」という説明か、「施術内容などの情報が不足していて判断できない」という説明か。理由を推測せず、受けた言葉を確認します。医学的な見合わせの判断は尊重し、別の医師から同意を取ればよいという案内はしません。
当院から情報をお伝えするのは、医師に当院の施術責任を負っていただくためではありません。医師の診断・注意事項を尊重しながら、当院の施術については当院が責任を持ちます。
費用の回答が出ない・見解が合わないとき
必要な診察を中断せず、保険会社へ理由と再確認に必要な資料を尋ねます。自賠責への被害者請求など、別の請求方法を検討する場合も、請求すれば必ず支払われるわけではありません。個別の賠償請求や紛争は弁護士等へご相談ください。請求方法の公的な案内
当院では預かり金をいただいていませんが、すべての費用が無条件に無料になるわけではありません。自己負担や立替が生じる可能性を、施術前に確認してご説明します。
よくある質問
医師の同意がないと、相談もできませんか?
相談できます。負傷の種類に応じた施術の条件、医学的な適否、保険会社の費用対応は別途確認します。相談を受けたことだけで施術や支払いが決まるわけではありません。
整形外科と整骨院は、併用できますか?
医療機関での診察・再診を大切にしながら、症状・施術の適否・費用の確認状況に応じて検討します。医師の医学的管理を、整骨院の施術で代替するものではありません。
健康保険での併用も同じ扱いですか?
自賠責・任意保険と健康保険の療養費は別の制度です。厚生労働省は、保険医療機関で同じ負傷等を治療中の柔道整復施術は健康保険等の対象にならない旨を案内しています。どの保険で何を請求するかを個別に確認してください。厚生労働省の案内
病院受診前・保険会社への連絡前でも相談できますか?
はい。今の症状や事故状況、受診・連絡の予定をお聞かせください。相談は必要な受診や事故連絡を省略するためのものではありません。
分からないことから、一緒に整理します。
「医師の同意をと言われて、どうすればよいか分かりません」
その一言からで構いません。症状・受診状況・説明された内容を伺います。
完全予約制。病院受診前・保険会社への連絡前でも相談できます。必要な受診・連絡を先延ばしにするものではありません。














